大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)3103 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人増岡章太郎の上告趣意は、末尾に添附の別紙記載のとおりである。

上告趣意第一点について。

論旨は、最高裁判所昭和二四年(れ)第二八五二号事件、大審院大正四年(れ)

第二七八号事件、同大正一二年(れ)第一二七二号事件の各判例を引用して、第一

審判決が本件を窃盗罪であると認定し、詐欺罪を以て処断しなかつたのは違法であ

るのに拘らず原判決もまたこれを是認したのは判例違反であると主張するのである

が、右引用の各判例はいずれも本件事例に適切でないから所論判例違反の主張は理

由がない。

同第二点について。

所論は、最高裁判所昭和二五年(れ)第一〇一一号事件判決、同昭和二五年(あ)

第一〇四号事件判決を援用して第一審判決には審判の請求を受けない事件について

判決した違法があるのに原審がこれを是認したのは違法であり判例違反であると主

張するが、援用の各判例は本件の場合に適切でないから論旨は理由がない。

同第三点について。

論旨は、単なる刑訴法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

同第四点について。

論旨は、第一審が、その理由第一の(三)の(1)、第一の(三)の(3)、第

一の(三)の(4)、第一の(三)の(6)、第一の(三)の(7)の五個の事実

を窃盗罪であるとし業務上横領罪としなかつたのは最高裁判所昭和二四年(れ)第

二六四八号事件、大審院昭和八年(れ)第一七五四号事件、大審院昭和二一年(れ)

第三六〇号事件、名古屋控訴院昭和一九年(上)二六四号事件の各判決に違反して

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いるのに原判決がこれを認容したのは判例違反であると主張するが、引用の各判例

は、いずれも本件に適切でなく、原判決がこれらの判例と相反する判断をしている

とはいえないから論旨は理由がない。

同第五点について。

結局量刑不当を主張するに帰し刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

なお記録を調べても本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年四月七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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